「期末一括仕訳」と「日々仕訳」

前回の財務書類の作成方法では複式簿記による財務書類作成の流れと仕訳の概要についてお話しました。

財務書類の作成方法はこちら

今回は「期末一括仕訳」と「日々仕訳」について解説していきます。

「期末一括仕訳」と「日々仕訳」

地方公会計の財務書類は、仕訳により作成します。

仕訳には「期末一括仕訳」と「日々仕訳」があります。

「期末一括仕訳」とは、地方公会計の財務書類を歳入歳出データをベースに仕訳を行うという特殊な方法を前提としていることによるもので、歳入歳出の一年間のデータを年度末において一括で変換することから、「期末一括仕訳」と呼ばれています。

この方法は総務省の旧基準である基準モデルで採用されてきました。

最近ではこの仕訳を半年に一度や四半期に一度行うといった、「半期一括方式」や「四半期一括方式」のようなやり方も見られます。

「日々仕訳」とはそのまま捉えると1日に一度仕訳を行うという意味ではなく取引の都度仕訳を行う方法です。

一般会計及び公営企業以外の特別会計に初めて日々仕訳を導入したのは東京都です。

東京都を中心に、地方公会計(新公会計)について先進的に取り組む「新公会計制度普及促進連絡会議」に属する団体のほとんどが「日々仕訳」を導入しています。

統一的な基準では、原則として「日々仕訳」によることとなっていますが、「期末一括仕訳」の方が簡便であることなどの理由により、「期末一括仕訳」を採用する団体が多くなっています。

「期末一括仕訳」と「日々仕訳」の違い

「期末一括仕訳」と「日々仕訳」はタイミングの違いのように捉えられがちですが、そうではありません。仕訳の仕方や業務フローが大きく異なることになります。

「日々仕訳」では歳入歳出決算のデータを変換するのではなく、歳入調定や支出命令の事務の際に都度仕訳をしていくことになります。そのため、これらの業務の際に仕訳ができるよう、財務会計システムの改修が必要となります。

また、「期末一括仕訳」の場合は、歳入歳出決算データから一括で仕訳を行うため、通常財政課や会計課などの地方公会計の財務書類作成担当課が仕訳を行いますが「日々仕訳」の場合は歳入調定や支出命令の業務の中で行うため、これらを担当する各所管課の職員が仕訳を行うことになります。

それぞれの業務フローの違いをイメージで示すと次の通りです。

 

「期末一括仕訳」と「日々仕訳」のメリット・デメリット

「期末一括仕訳」と「日々仕訳」のメリットとデメリットをまとめると次の通りです。

いずれも一長一短があり、地方公会計業務に従事できる職員数や、財務書類、固定資産台帳の正確性の必要性の度合い、活用の程度を考慮し、いずれを採用するかを決める必要があります。

 

次回は、一般的に採用している団体が多い、期末一括仕訳の仕組みを中心に、もう少し詳しくお話していきます。

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